EXHIBITIONS

生誕110年 濱谷浩展 人間と風土をみつめて

小林古径記念美術館
2025.03.22 - 06.22

濱谷浩 歌ってゆく鳥追い(雪国) 1940 新潟・桑取 小林古径記念美術館蔵

 小林古径記念美術館で「生誕110年 濱谷浩展 人間と風土をみつめて」が開催されている。

 写真家・濱谷浩の生誕110年を記念し、その作品と人生を振り返る展覧会が開催。

 濱谷浩は1915年(大正4年)東京・下谷に生まれる。15歳の時、父の友人から贈られたブローニー判ハンドカメラに夢中になり、写真で身を立てる道を模索。1939年(昭和14年)、24歳の濱谷はフリーのカメラマンとして高田連隊スキー部隊の取材で新潟県高田市(現・新潟県上越市)を初めて訪れ、豪雪の光景に衝撃を受ける。民俗学的視点から雪国の暮らしを取材するとともに、越後の芸術家や著名人の肖像を撮影した。

 1954年(昭和29年)から取材を開始した「裏日本」は、たんなるノスタルジックな写真ではなく、フォト・ドキュメントの観点から地方をとりまく現状を鋭く切り取った作品として高く評価され、1960年(昭和35年)には、写真家集団「マグナム」のアジア人初の寄稿写真家となった。晩年は世界に残された自然へと撮影対象を変え、氷河や山岳などダイナミックな大地の姿をカラーでとらえた作品へと展開。

 本展では、写真家としての一歩を上越市から踏み出し、世界的に著名となった濱谷浩の初期から晩年までの作品106点を展覧している。