特別展「日本国宝展」(大阪市立美術館)開幕レポート。135件の国宝でたどる日本美術の系譜
2025年の大阪・関西万博の開催と大阪市立美術館のリニューアルを記念し、135件すべてが国宝からなる特別展「日本国宝展」が開幕した。日本美術の名品を一堂に集め、大阪で初となる大規模な国宝展をレポートする。

大阪市立美術館にて、「大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展『日本国宝展』」が開幕した。会期は6月15日まで(一部展示替えあり)。
本展は、2025年の大阪・関西万博の開催と、リニューアルオープンを迎えた同館の記念企画として実施されるものであり、展示作品135件すべてが国宝(参考出品を除く)という、きわめて貴重な大規模国宝展だ。

展覧会は2部構成となっており、第1部「ニッポンの国宝―美の歴史をたどる」では、絵画・彫刻・工芸・書跡など、多様なジャンルと幅広い時代にわたる国宝を通して、日本美術の精華を体系的に紹介する。全6章構成で、冒頭の「日本美術の巨匠たち」では、雪舟、岩佐又兵衛、狩野永徳、長谷川等伯ら、日本美術史を代表する巨匠たちの名品が一堂に会する。
岩佐又兵衛による《洛中洛外図屏風(舟木本)》(東京国立博物館蔵、展示期間:4月26日~5月18日)は、祇園祭に沸く京の町を緻密に描いた大作で、2500人を超える市井の人々を生き生きと表現している。伊藤若冲の《動植綵絵 群鶏図》(皇居三の丸尚蔵館収蔵、同期間)では、13羽の鶏を描いた精緻な筆致と構成が強烈な印象を残す。


また、会期後半には、豊臣秀吉が毛利輝元に贈ったとされる狩野永徳筆《唐獅子図屏風》(皇居三の丸尚蔵館蔵、5月20日~6月15日)や、圧倒的な筆力を誇る雪舟の傑作《四季山水図巻(山水長巻)》(山口・毛利博物館蔵、5月27日~6月15日)といった傑作も登場する。