2025.4.8

国立西洋美術館のロダン彫刻全60点が3Dモデルに。「みんなの3Dロダン図鑑」を公開

国立西洋美術館が、同館所蔵のオーギュスト・ロダンの彫刻の3Dモデルを見ることができる「みんなの3Dロダン図鑑」をリリースした。

「みんなの3Dロダン図鑑」ウェブサイトより
前へ
次へ

 東京・上野の国立西洋美術館が、同館が所蔵するオーギュスト・ロダンの彫刻の3DモデルをスマートフォンやPCで見ることができる「みんなの3Dロダン図鑑」をリリースした。

 サイトには同館が所蔵するロダン彫刻全60作品の3Dモデルを掲載。スマートフォン・PCなどの画面上で、指やマウスを使って回転、拡大、縮小しながら自由に作品を鑑賞できる。上から見る、近接して見る、群像の中に入って見る、下から見るなど、実物を鑑賞する際には難しい角度・距離からの作品鑑賞が体験可能だ。

「みんなの3Dロダン図鑑」ウェブサイトより、《地獄の門》の3DCGモデル
「みんなの3Dロダン図鑑」ウェブサイトより、《考える人》の3DCGモデル

 世界有数のロダンコレクションを所蔵しているものの、展示スペースや作品の保存の観点から、鑑賞の機会が限定されてきた同館のロダンコレクション。同館は、より多くの人々が鑑賞できる場として3Dモデルをウェブサイト上で公開することにしたとしている。

 ほかにもサイト内では漫画家・荒木飛呂彦や編集者/評論家・山田五郎といった、多分野で活躍する著名人が、同館所蔵のロダン彫刻の「推し」作品について語ったインタビュー「私の推しロダン」も掲載。

「みんなの3Dロダン図鑑」ウェブサイトより、インタビュー「私の推しロダン」

 さらに、各分野の専門家が、ロダンや彫刻に関する一つのテーマに沿って深堀りトークをするアカデミックコンテンツ「ロダンと彫刻をめぐるストーリー」や、松方コレクションにおけるロダン彫刻の歴史を同館主任研究員の陳岡めぐみが紹介する「ロダンと松方と国立西洋美術館」などを用意。

「みんなの3Dロダン図鑑」ウェブサイトより、「ロダンと松方と国立西洋美術館」

 加えて、学校団体を対象に、事前学習時の教材として活用できるコンテンツ「学校団体の来館に向けて」もある。

「みんなの3Dロダン図鑑」ウェブサイトより、前庭彫刻ワークシート(小中学生用)

 なお、今回の3Dモデル作成および特設サイト制作/公開のために同館は、約4か月間のクラウドファンディングを実施。356人から558万2000円の支援があったという。