2025.7.22

スーパーマーケットが展示会場に。多摩美術大学、創立90周年記念展「EXPLOSION & EXPANSION 爆発と拡張」を開催へ

今年で創立90周年を迎える多摩美術大学が、その附属施設「BLUE CUBE」で記念展「EXPLOSION & EXPANSION 爆発と拡張 ―― 多摩美術大学の制作の現場から」を開催する。会期は10月19日〜11月3日。

多摩美術大学 BLUE CUBE 外観(2025年3月15日) 撮影=齋藤彰英
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 2025年に創立90周年を迎える多摩美術大学。この節目を記念し、同校の附属施設「BLUE CUBE」にて記念展「EXPLOSION & EXPANSION 爆発と拡張 ―― 多摩美術大学の制作の現場から」が開催される。会期は10月19日〜11月3日。

 本展は、「爆発」と「拡張」というキーワードを軸に、多摩美術大学における創造の現場の活力と多様性、その最前線を提示するもの。「爆発」は1935年の本学開学を「ビッグバン」にたとえたものであり、以来90年間にわたり同大学が果敢に領域を広げてきた歩みを象徴している。いっぽうの「拡張」は、時代や分野を越えて展開される芸術的探究の広がりを表している。

多摩美術大学 BLUE CUBE 施設内(2025年3月15日) 撮影=齋藤彰英

 会場となる「BLUE CUBE」は、ドイツ系スーパーマーケット「METRO」の多摩境店として2006年から21年まで使用されていた建物で、22年に同校の附属施設として取得された。現在、今後の正式な用途は検討中であるが、今回は当時の構造や内装がそのまま残された空間を活かし、スーパーマーケットという日常的空間がアートの舞台として新たな価値を持つことを試みる。

 出品作家には、学内から在学生および助手・副手のなかから13名と3組のチームを選出。たんなる学内選抜展にとどまらず、BLUE CUBEという特異な空間においてその可能性を最大限に発揮すると期待される作家たちが選ばれている。ジャンルも日本画、彫刻、工芸、グラフィック、テキスタイル、建築、メディアアート、情報デザインなど多岐にわたり、展示ではそれぞれの視点から空間と対峙し、創造のエネルギーを可視化する試みがなされる。

 本展を企画する多摩美術大学美術館は、現在リニューアル準備のため長期休館中だが、本展はその代替的な試みとしても位置づけられる。学内外における若手表現者の発表の場として、また、今後100周年に向けた大学の姿勢を示す序章として注目を集めそうだ。

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