久保田珠美「Tama Mino Pottery」

　Otherwise Galleryで、久保田珠美による個展「Tama Mino Pottery」が開催されている。

　久保田珠美は愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了。国内外で個展やグループ展を開催し、絵画、陶人形、切り絵シリーズなど多様なメディアを通じて作品を発表してきた。

　本展では、2018年より岐阜県多治見市の幸兵衛窯で制作を続けている陶人形のシリーズを中心に紹介。久保田が長年制作してきた石粉粘土によるフィギュアを、八代目・加藤亮太郎の勧めにより陶へと発展させた経緯に注目する。1804年に開窯し、江戸城本丸・西御丸への染付食器を納めた御用窯として知られる幸兵衛窯は、美濃焼の伝統を伝える窯元であり、その技術と環境を通して制作された作品を展示している。土の質感や釉薬がつくる表情を持つ陶人形を紹介し、久保田が展開してきた表現を通して、平面と立体のあいだに位置する表現領域にも触れる。