EXHIBITIONS
昼と夜 収蔵品展084 寺田コレクションより
東京オペラシティ アートギャラリーで「昼と夜 収蔵品展084 寺田コレクションより」が開催されている。
以下、本展の展覧会ステートメントとなる。
「本展では、昼と夜の表現に着目し寺田コレクションを紹介する。風景を描くなかで、時間や光の移ろいはつねに重要なテーマである。例えば、川瀬巴水の版画では、よく晴れた昼や雨の夜といった光の変化とともに、日本各地の風景が多色刷りによって表現されている。現代の人々の日常生活を描く相笠昌義の作品には、昼下がりの公園や動物園といった場所がしばしば登場するが、《駅にて・昼も夜も……》では、通勤や通学といった日々の生活を営む人々の姿を、一日の始まりと終わりという異なる時間の駅を並置することで表現している。
また、作家たちは、ときに日常と幻想、生と死、光と闇など、様々な意味を込め、昼と夜の世界を描き出す。磯見輝夫の作品において昼と夜は女性の姿に象徴され、墨一色のモノクロームの画面が神秘的な雰囲気を湛えている。木村繁之もまた抑制された色彩と線による木版によって、昼と夜の世界を表現している。難波田龍起は、夜をテーマにした作品を多く手がけたが、そこには独自の詩情が込められている。
さらに、幻想的な絵画を好み、蒐集のひとつの核としていた寺田コレクションには、不可思議な昼や夜の風景も多くみられる。昼間は見慣れたはずの風景が夜になるとがらりと表情を変えるように、昼と夜とが現実とその外側とを行き来する契機となることがある。川口起美雄や川原田徹の作品において、夜は幻想的な空気に満ちている。いっぽうで、昼がつねに日常の領域にあるとは限らない。落田洋子や野又穫が描く明るい風景には、どこか白昼夢のような非現実さが漂っているだろう。
昼と夜が持つ二面性は、様々な作家の興味を惹きつけてきた。作品を蒐集した寺田小太郎氏にとってもそうであったのかもしれない。昼と夜をめぐる多様な表現を楽しんでいただきたい」(展覧会ウェブサイトより)。
以下、本展の展覧会ステートメントとなる。
「本展では、昼と夜の表現に着目し寺田コレクションを紹介する。風景を描くなかで、時間や光の移ろいはつねに重要なテーマである。例えば、川瀬巴水の版画では、よく晴れた昼や雨の夜といった光の変化とともに、日本各地の風景が多色刷りによって表現されている。現代の人々の日常生活を描く相笠昌義の作品には、昼下がりの公園や動物園といった場所がしばしば登場するが、《駅にて・昼も夜も……》では、通勤や通学といった日々の生活を営む人々の姿を、一日の始まりと終わりという異なる時間の駅を並置することで表現している。
また、作家たちは、ときに日常と幻想、生と死、光と闇など、様々な意味を込め、昼と夜の世界を描き出す。磯見輝夫の作品において昼と夜は女性の姿に象徴され、墨一色のモノクロームの画面が神秘的な雰囲気を湛えている。木村繁之もまた抑制された色彩と線による木版によって、昼と夜の世界を表現している。難波田龍起は、夜をテーマにした作品を多く手がけたが、そこには独自の詩情が込められている。
さらに、幻想的な絵画を好み、蒐集のひとつの核としていた寺田コレクションには、不可思議な昼や夜の風景も多くみられる。昼間は見慣れたはずの風景が夜になるとがらりと表情を変えるように、昼と夜とが現実とその外側とを行き来する契機となることがある。川口起美雄や川原田徹の作品において、夜は幻想的な空気に満ちている。いっぽうで、昼がつねに日常の領域にあるとは限らない。落田洋子や野又穫が描く明るい風景には、どこか白昼夢のような非現実さが漂っているだろう。
昼と夜が持つ二面性は、様々な作家の興味を惹きつけてきた。作品を蒐集した寺田小太郎氏にとってもそうであったのかもしれない。昼と夜をめぐる多様な表現を楽しんでいただきたい」(展覧会ウェブサイトより)。