EXHIBITIONS

『プサイの部屋 松澤宥アトリエ』出版記念 松澤宥展

松澤宥 虚空間状況探知センター 1969 シルクスクリーン、紙

 ギャラリー・アートアンリミテッドで『プサイの部屋 松澤宥アトリエ』の出版を記念して、松澤宥の個展が開催されている。

 松澤宥は1922年生まれ。64年に「オブジェを消せ」という啓示を受けて以降、言葉とパフォーマンスで表現するようになり、コンセプチュアル・アートの祖とされる。長野県下諏訪にある松澤のアトリエは、評論家の瀧口修造により「プサイの部屋」と命名された。その部屋は「虚空間状況探知センター」とも呼ばれ、松澤は内外のアーティストたちと広く交流し、自他のオブジェや平面作品が山のように累積した異空間であった。

 新刊『プサイの部屋 松澤宥アトリエ』は、図面と写真でこの失われた空間を再現した。同書の刊行を記念し、本展では、2025年に下諏訪で開催された生誕103年祭の出品作の一部や、長沼宏昌による「プサイの部屋」360度撮影写真の一部をインスタレーションとして展示。また、評論家・ヨシダヨシエにあてたコラージュブック《Psi Black Note》(個人蔵)を初公開し、その内容を映像で紹介している。