EXHIBITIONS

石川九楊展

思文閣 京都本社
2025.04.18 - 05.15, 2025.05.17 - 06.14
 思文閣で「石川九楊展」が開催されている。

 石川九楊は1945年福井県生まれ。書家。京都大学法学部卒業。京都精華大学教授、文字文明研究所所長を経て、現在、同大学名誉教授。「書は筆蝕の芸術である」ことを解き明かし、書の構造と歴史を読み解く。評論家としても活躍し、日本語論、日本文化論は各界にも大きな影響を与えている。作品制作・執筆活動、いずれの分野でも最前線の表現と論考を続け、制作作品は2000点以上、著作刊行は100点を超える。2025年にNHK大河ドラマ「べらぼう」の題字を揮毫。

 石川の書は、画なりや書なりやという議論を根本から駆逐する迫力と繊細さ、唯一無二の存在感を持つ。それは、これまで絵画的な文脈で語られ、ある種そのなかに没してきた「書」を根本から説き直し、東アジアで育まれてきた滔々たる歴史を背景に、「言葉」のなかにある本質をすくいとって表現される。

 本展は、画廊で行われるものとしてはこれまでにない規模となっており、前期の展示では、書的情緒からの脱却を追求した70年代の「灰色の時代」の代表作と、それまでの集大成といえる「源氏物語Ⅰ」を中心に展観。後期の展示では、書業の最初期から最新作までが展示される。