EXHIBITIONS

第18回 shiseido art egg 第2期展 すずえり(鈴木英倫子)展

2025.04.16 - 05.18

すずえり(鈴木英倫子) ピアノは魚雷にはのらない 2025
アップライトピアノ、トイピアノ、ソレノイド、自作電子回路、LED、額、紙に鉛筆、草稿の複写 撮影:加藤健

 資生堂ギャラリーでは、第18回「shiseido art egg」に入選した、大東忍、すずえり(鈴木英倫子)、平田尚也の3名の個展を開催。その第2期展として、すずえり(鈴木英倫子)の個展が始まっている。

「shiseido art egg」とは、資生堂が新進アーティストを応援する公募プログラムで、人々の感性と多様な価値観を刺激し、新たな美の可能性を押し広げるアーティストに個展開催の機会を提供するというもの。2006年にスタートして以来、延べ51名(組)の入選アーティストが個展を開催、その後も活躍の幅を広げている。

 第18回目となる今年は、応募総数291件のなかから、大東、すずえり、平田の3名を選考。独自の視点で今日の世界を見つめ、時代が抱える不安や困難に向きあい、そこから新しい価値観や美意識を表現しているかが審査のポイントとなった。

 今回の出展作家、すずえりは神奈川県生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2007年に岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)を卒業。2024年、東京大学大学院情報学環・学際情報学府先端表現情報学コース在籍。東京都在住。

 ピアノや自作の電子回路などを連動させた装置を用いてインスタレーションや即興演奏を手がけ、音やそれを媒介する通信技術の表象に物語性を見出そうとする、すずえりの作品。Wi-FiやGPSなど現代に欠かせない通信技術の礎を開発したのは、発明家でもあったハリウッド女優ヘディ・ラマー(1914〜2000)といわれている。本展では、移民でもある彼女の波乱の生涯に焦点をあて、ピアノや電球を通信機器と接続したインスタレーションなどを展開し、通信と社会の関わりについて考える。