EXHIBITIONS
企画展
宮本典刀―街の記憶―
武蔵野市立吉祥寺美術館で、企画展「宮本典刀―街の記憶―」が開催されている。
銅版画家・宮本典刀は、曰く「心のなかに沈んでいる記憶」を拾いあげ、それらを再構築して街の風景を描いている。
宮本は、旅先あるいは日常生活の延長で、大通りから人目につかない裏路地にいたるまで、長い時間をかけ街を歩き回る。ひたすら歩き続け、光や色、肌に触れる空気、におい、音など街を形づくっている要素を、そのまま心身に受けとめる。そうして集積した街の様々な記憶が、切妻屋根の家々、煙突や橋といった人間の暮らしを暗示する構造物の形をとって描き出されているという。
作品の画面は、微細かつ均質な粒子によって表されたアクアチントの色面を、精密な技術をもって構成することで成り立っている。
また、音楽との関係性も特筆すべき点となっている。宮本は日頃から多彩な音楽に触れ、とりわけスペインやポルトガルの民族音楽、またF.モンポウやR.シュトラウスなどの楽曲を愛聴しており、ときに音楽から着想した画題も生まれる。とはいえ宮本は、音楽との結びつきを殊更に意識しているわけではなく、「色をみると音が聴こえる」「音が見える」とは宮本の言葉だが、絵画作品などを鑑賞する際にもそこに自ずと音を感じとっているとのこと。
本展は、宮本典刀の作品を個展として紹介する、美術館では初めての機会である。宮本がアクアチントの色面によって街を描き始めた1999年以降の作品を中心に、最初期作と最新作を含む約70点を展観する。
銅版画家・宮本典刀は、曰く「心のなかに沈んでいる記憶」を拾いあげ、それらを再構築して街の風景を描いている。
宮本は、旅先あるいは日常生活の延長で、大通りから人目につかない裏路地にいたるまで、長い時間をかけ街を歩き回る。ひたすら歩き続け、光や色、肌に触れる空気、におい、音など街を形づくっている要素を、そのまま心身に受けとめる。そうして集積した街の様々な記憶が、切妻屋根の家々、煙突や橋といった人間の暮らしを暗示する構造物の形をとって描き出されているという。
作品の画面は、微細かつ均質な粒子によって表されたアクアチントの色面を、精密な技術をもって構成することで成り立っている。
また、音楽との関係性も特筆すべき点となっている。宮本は日頃から多彩な音楽に触れ、とりわけスペインやポルトガルの民族音楽、またF.モンポウやR.シュトラウスなどの楽曲を愛聴しており、ときに音楽から着想した画題も生まれる。とはいえ宮本は、音楽との結びつきを殊更に意識しているわけではなく、「色をみると音が聴こえる」「音が見える」とは宮本の言葉だが、絵画作品などを鑑賞する際にもそこに自ずと音を感じとっているとのこと。
本展は、宮本典刀の作品を個展として紹介する、美術館では初めての機会である。宮本がアクアチントの色面によって街を描き始めた1999年以降の作品を中心に、最初期作と最新作を含む約70点を展観する。