2025.4.22

山本浩貴による現代美術入門書。『12ヶ月で学ぶ現代アート入門』が刊行

山本浩貴による現代美術の初心者に向け書籍『12ヶ月で学ぶ現代アート入門』が4月22日に刊行された。

山本浩貴『12ヶ月で学ぶ現代アート入門』
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 文化研究者・山本浩貴による、現代美術の初心者に向け書籍『12ヶ月で学ぶ現代アート入門』(美術出版社)が4月22日に刊行された。

 本書は山本浩貴によるウェブ版「美術手帖」の連載「10ヶ月で学ぶ現代アート」をもとに、新たに「マーケット」「ケア」2章分の書き下ろしに加え、現代美術の現場の声を伝える5名のアーティスト・研究者へのインタビューを新たに収録したものだ。

 山本は1986年生まれ。文化研究者。実践女子大学文学部美学美術史学科准教授。単著に『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019)、『ポスト人新世の芸術』(美術出版社、2022)。共著に『レイシズムを考える』(共和国、2021)、『この国(近代日本)の芸術 〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』(月曜社、2023)ほか。

 本書は「そもそも、現代アートって何?」「現代アートの現代は何を意味する?」「コンテンポラリー·アートと現代美術の違いは?」といった、現代美術をめぐる根本的なテーマを12の章に分け、山本が具体的な作品やアーティストを挙げながら、簡潔にわかりやすく解説。テキストも読みやすい長さとなっており、短い時間を利用して少しずつ読み進めることができる。また、本書のために書き下ろした「マーケット」と「ケア」の章は近年とくに注目されているテーマとして、市場や社会の現状に踏み込んだ、発展的な内容となっている。

山本浩貴『12ヶ月で学ぶ現代アート入門』

 さらに、現代美術の現場で活躍する会田誠、飯山由貴、尾崎翠(明日少女隊)の3名のアーティストと、研究者である小川公代(文学)、松村圭一郎(人類学)へのインタビューも収録。12のテーマに関連する内容について、実戦を通したアクチュアルな言葉を通して、リアリティをもって理解を深めることが可能だ。

 また、巻末には12のテーマごとに3冊ずつ、合計36冊を紹介したブックガイドを掲載。初級・中級・上級の3段階にわけて山本が厳選したうで、丁寧な解説もついている。興味をもったテーマをさらに深掘りしたい、また、現代美術をもっと学びたい、知識を広げたい読者にとっては保存版ともいえる内容だ。

山本浩貴『12ヶ月で学ぶ現代アート入門』