EXHIBITIONS
市川友章「分水嶺」
√K Contemporaryで、市川友章による個展「分水嶺」が開催されている。
市川友章は、2011年の東日本大震災を機に作家の代名詞となる「怪人」シリーズを描いた。体は人間ながら、頭はモンスターという異様でどこか懐かしみのある「キャラクター」たちが、画面のなかで私たち人間の日常を生きている。
市川は、2011年の東日本大震災を目の当たりにし、自分が特撮映画の世界のなかに投げ出されたような感覚を覚えたとのこと。幼少期に見ていたテレビのなかのヒーローと怪人たちとの対決、またそれらを取り巻く人間ドラマなど、大人になるにつれて切り離してきた世界が脳裏に過った。しかし、現実にヒーローは存在せず、右往左往する人々の見え隠れするリアルな本能を前に、「人間」とはじつは仮面をかぶったモンスターなのではないか、そんな疑念を持ち画面へと向かったという。
「怪人」を時に自画像として、ある時は肖像画として描くことで自らの問いを表出。市川作品のなかで怪人たちは、特撮映画における定番として人間を襲う存在ではなく、当たり前の日常を生きているように描かれる。日本が培ってきた「キャラ」文化の要素を含みつつも、そこに現代社会を生きる人間の業といったものを感じさせる。
本展では、昨年末に開催された神奈川県民ホールギャラリー最後の企画展「眠れよい子よ よい子の眠る/ところ」の出展作品、および絵画と木彫の新作を展示。
市川友章は、2011年の東日本大震災を機に作家の代名詞となる「怪人」シリーズを描いた。体は人間ながら、頭はモンスターという異様でどこか懐かしみのある「キャラクター」たちが、画面のなかで私たち人間の日常を生きている。
市川は、2011年の東日本大震災を目の当たりにし、自分が特撮映画の世界のなかに投げ出されたような感覚を覚えたとのこと。幼少期に見ていたテレビのなかのヒーローと怪人たちとの対決、またそれらを取り巻く人間ドラマなど、大人になるにつれて切り離してきた世界が脳裏に過った。しかし、現実にヒーローは存在せず、右往左往する人々の見え隠れするリアルな本能を前に、「人間」とはじつは仮面をかぶったモンスターなのではないか、そんな疑念を持ち画面へと向かったという。
「怪人」を時に自画像として、ある時は肖像画として描くことで自らの問いを表出。市川作品のなかで怪人たちは、特撮映画における定番として人間を襲う存在ではなく、当たり前の日常を生きているように描かれる。日本が培ってきた「キャラ」文化の要素を含みつつも、そこに現代社会を生きる人間の業といったものを感じさせる。
本展では、昨年末に開催された神奈川県民ホールギャラリー最後の企画展「眠れよい子よ よい子の眠る/ところ」の出展作品、および絵画と木彫の新作を展示。