EXHIBITIONS

MOT Plus

サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス

2025.04.26 - 06.29
 東京都現代美術館で、パティ・スミス(Patti Smith)とサウンドウォーク・コレクティヴ(Soundwalk Collective)による現在進行形の最新プロジェクト「コレスポンデンス(CORRESPONDENCES)」の展覧会「MOT Plus サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス」が開催される。

 アーティストのステファン・クラスニアンスキー(Stephan Crasneanscki)とプロデューサーのシモーヌ・メルリ(Simone Merli)が率いるサウンドウォーク・コレクティヴは、場所や状況に応じたサウンドプロジェクトを制作する現代音響芸術プラットフォーム。音の具象的かつ精神的な力を通じて物語を立ち上げ、記憶、時間、愛、喪失といったテーマを探求している。

 またコンセプトや文学、芸術的テーマをもとに、写真家のナン・ゴールディン、ジャン=リュック・ゴダールアーカイブ、振付家のサシャ・ヴァルツといったアーティストらと協働し、綿密なリサーチにもとづく作品を多数制作してきた。ドクメンタ14(2017)ではラジオプロジェクト「Every Time a Ear di Soun」に楽曲を提供し、2019年にルーヴル・アブダビでサウンドインスタレーション《Mirage》を発表。さらにナン・ゴールディンを追ったドキュメンタリー映画『美と殺戮のすべて』では劇伴を手がけ、本作品は22年のベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。また、楽曲制作も精力的に行い、数多くのレコードをリリースしてる。

 パティ・スミスは50年以上にわたり創作活動を続けるミュージシャン、詩人、画家、パフォーマーだ。デビューアルバム『ホーセス』(Horses, 1975)は詩とロックを融合させた革新的な作品として音楽史にその名を刻み、ソニック・ユースのキム・ゴードンや PJ ハーヴェイに霊感を与えるなど、パンクやロックにおける表現の可能性を切り拓いた。

 1960年代後半からは写真やドローイングの制作を開始し、近年ではインスタレーションを手がけるなど創作活動の幅を広げている。カルティエ現代美術財団での大規模個展「Land 250」(2008)をはじめ多くの美術館で作品を発表、その作品はニューヨーク近代美術館に収蔵されている。

 サウンドウォーク・コレクティヴとパティ・スミスの創造的な共同制作は10年以上にわたって継続し、べネチア・ビエンナーレ(映画部門)や、ニューヨークのクリマンズット・ギャラリー、コロンビアのメデジン近代美術館をはじめ、世界各地でライブパフォーマンス、展覧会、上映、詩の朗読会、ワークショップと多岐にわたる形式で両者のコラボレーションによる作品を発表してきた。

 本展では、かれらの最新プロジェクトとなる「コレスポンデンス」を紹介。日本では初の公開だ。「MOTPlus プロジェクト」はパフォーマンスや上映など、従来の展覧会の形式にとどまらない、実験的なプロジェクトを展開する場として、2025年に開館30周年となる東京都現代美術館の新企画。その第一弾の企画となる本展は、カルチュラルプラットフォームYYとの共同主催、実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するイベントシリーズ「MODE」の企画協力により開催する。