2026.3.26

なぜスタバにギャラリーが? 「スターバックス カフェ & アートギャラリー 谷中御殿坂」が目指す、カフェとアートの新たな融合

スターバックス コーヒー ジャパンは3月28日、東京・谷中にギャラリーを併設した新店舗「スターバックス カフェ & アートギャラリー 谷中御殿坂」をオープンさせる。

文・撮影(*のぞく)=橋爪勇介(編集部)

スターバックス カフェ & アートギャラリー 谷中御殿坂外観 提供=スターバックス コーヒー ジャパン(*)
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目指すは「令和の看板建築」

 スターバックス コーヒー ジャパンは3月28日、東京・谷中にギャラリーを併設した新店舗「スターバックス カフェ & アートギャラリー 谷中御殿坂」をオープンさせる。コンセプトは「藝と珈琲の交差点」。カフェとアートが完全に融合した試みだ。

 同店が立つのは、看板建築が多く残る谷中の御殿坂。建築設計は谷中を拠点とするHAGISOが手がけ、切妻屋根を持つ2階建ての木造建築は、エリアの歴史と文化への敬意を体現している。周辺の路地空間を取り込むように、エントランスは路地を入った奥に設けられた。

路地の先にあるエントランス

 外観のデザインには、この地域に多く残る「看板建築」(木造建築の正面をモルタルや銅板などで覆った洋風のファサードを持つ建築様式)へのオマージュが込められている。常滑で製作された5パターンのタイルで構成された「看板」が外観を覆い、天候や時間によって様々な表情を見せる「令和の看板建築」となった。建築の高さや窓の位置は、隣接する佃煮の老舗・中野屋に合わせて設計されており、新築でありながらすでに街並みに自然と溶け込んでいる。

スターバックス カフェ & アートギャラリー 谷中御殿坂外観 提供=スターバックス コーヒー ジャパン(*)

 内観は、作品展示を意識した白壁に、床・椅子・テーブルへの木材の多用が温かみを添える。とくに2階は、小上がりをはじめとする多彩な座席のバリエーションと、隣接する経王寺の緑と連続するように設けられた大きな窓が印象的だ。

1階店内
1階店内
1階店内
1階店内
中2階は御殿坂を見下ろす窓側にも座席を配置
お寺の境内と連続するような巨大窓が特徴的な2階

なぜ、谷中にアートギャラリーなのか

 ギャラリー運営はThe Chain Museumがサポート。若手アーティストの作品を中心に、定期的に展示を入れ替える。アーティスト同士やスターバックスのパートナーが対話しながら展示をつくる「テーマ展」のほか、今後は気鋭アーティストの作品を紹介する「フェア展」、公募で新たな才能を発掘する「パブリック展」も予定されており、作品の販売も行う。

 こけら落としは、Karin Hosono、真田将太朗、YU SORAによる3人展(3月28日〜6月28日)。各作家が谷中からインスピレーションを得て制作した36点が、店内各所に展示されており、購入も可能だ。

切妻屋根の構造がよくわかる2階
2階店内
2階店内

 谷中は朝倉彫塑館やSCAI THE BATHHOUSEなど様々なアートスポットがあり、日常にアートが息づくまちだ。また足を伸ばせば多くの美術館が位置する上野エリアへとつながる。地域の文脈から生まれたというカフェ & アートギャラリーについて、同社は「本物の空間に本物のアートをお届けすることが、地域とお客様への誠意」と語る。アートギャラリーの名を冠する店舗は日本でも初めての取り組みであり、カフェを訪れた人がアートと自然に出会える場を目指したという。

 なお、これまで若手アーティストの作品を展示してきた「スターバックス コーヒー 京都BAL店」も「スターバックス カフェ & アートギャラリー 京都BAL」に改称。両店舗が、若手アーティスト支援の拠点として歩みを進める。