EXHIBITIONS

イ・ビョンチャン「アリの消失点」

Lee Byungchan O BRAVE NEW WORLD SeMA Storage / Korea 2019.9.26-10.26

Creature 2025 1 2025 展示風景 photo by Hiroshi Noguchi

Creature 2025 2 2025 photo by Hiroshi Noguchi

DRAWING #4 2025 photo by Hiroshi Noguchi

「アリの消失点」展示風景 photo by Hiroshi Nouguchi

TAL 2025, Whispering Words Consume Me, Will I Still Be Myself 2025 ビデオ作品

 アートフロントギャラリーで、イ・ビョンチャンによる個展「アリの消失点」が開催される。

 本展は、ショーウィンドウ展示の特性にあわせて構成された。商品が消費される場面を「消失点」ととらえ、韓国では「普通の人々」もしくは「群衆」と表現される「アリ」が、光と形が消えていくその消失点へと集まる様子を表している。

 今回の展示には、壁面にいくつかの凹面鏡が設置され、その前には有機的なフォルムのオブジェが配置。呼吸するようにわずかに動くこのオブジェは、凹面鏡の中で歪み、変形した姿を映し出す。周囲に配置された照明は、その歪んだフォルムの起伏を際立たせ、独特の視覚効果を生み出している。

 また「身にまとう」という行為を取り入れた作品を、映像作品とともに展示。映像には、作品を身につけた人が都市のあちこちを歩き、鏡に映る自らの姿を確認する様子が記録されている。自身の形態が完全に残っているかを随時確かめるこの映像作品は、消失点へと向かう消費のあり方を観察する試みである。