EXHIBITIONS

西洋帰りのIMARI展 ―柿右衛門・金襴手・染付―

2025.04.12 - 06.29
 戸栗美術館で「西洋帰りのIMARI展 ―柿右衛門・金襴手・染付―」が開催される。

 1700年代初頭まで硬質磁器の製作技術を持たなかったヨーロッパでは、中国や日本の磁器を珍重。アジア貿易に積極的であったオランダ東インド会社やその社員たちが1660年代頃から本格的にヨーロッパ向けに扱いはじめたのが、日本製の磁器である伊万里焼だった。

 ヨーロッパでは実用とするほか、王侯貴族たちの城館を飾る室内調度品としてももちいられた。現在も伊万里焼が残る場所はヨーロッパに数多くあるが、再び海をわたって日本へ「里帰り」していくものもあった。

 本展では、かつてドイツのアウグスト強王のコレクションであった《色絵 花鳥文 輪花皿》をはじめ、ヨーロッパから里帰りを果たした作品、器形や装飾などから輸出向けの可能性がある作品を展示し、伊万里焼貿易の様相を探る。柿右衛門様式や古伊万里金襴手様式の色絵磁器、東洋風の染付磁器など、ヨーロッパ好みの約80点を展示する。