magma「REVAIVALUE」

　杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニット、magmaの展覧会「REVAIVALUE（リバイバリュー）」が開催される。2020年に開催された「AMERI感（アメリ感）」に続く、VOILLDでは約1年ぶり、6度目の新作展となる。

　 magmaは、2007年より活動をスタート。廃材、おもちゃ、電動器具など、身の回りにあるありとあらゆるものを素材とし、広告美術、空間演出、家具、プロダクトまで幅広く手がけ、多彩な作品を発表し続けている。近年では国内外のファッションブランドとのコラボレーションをはじめ、ミュージシャン、企業、ホテルなどにも作品を提供するなど、その活躍の場をさらに広げている。

　 magmaの作品は、ジャンルと時代を超えた「もの」と「もの」とのコラボレーションの繰り返しによって構成されている。音楽やアート、カルチャー、マンガ、アニメーション、偉人、日々の事件や何気ない日常など、数え切れないほどの様々な影響を作品のソースにし、それらと親和性の感じられる膨大な素材を収集し、緻密に組み上げていくという方法で作品を生み出す。その行為はたんなるものの再利用ではなく、ものへの愛情と尊敬であり、価値への訴えであり、またユーモアに富んだ作品群は、キャッチーでありながら寓話的であり、どこか違和感すら感じさる。

　そして、作品それぞれが異世界のものの集合体となり、その断片をぶつけ合いながらストーリーを紡ぐ行為は、何でも手に入れることのできてしまういまの時代のなかで、つねにどこにもないものを見出し、新たな表現を生み出そうとする magmaの飽くなき挑戦であり、明日への希望でもある。

　展覧会タイトル「REVAIVALUE」は「REVAIVAL」と「VALUE」を合体させた造語で、生き返り／復活／再生といった意味合いを込めたもの。本展は、世界の名だたる巨匠たちによる名作の手法を用いた作品や、イメージを引用したアプロプリエーション作品のシリーズで構成される。

　大胆かつ勇敢にマグマの手業で変換され、新たな価値を吹き込まれたユーモアあふれる作品群は、先人へのリスペクトと、芸術や作品においての意味や価値についての問いかけを、magmaらしいシニカルな視点で改めて提議する。